私は最強ビンボー女!
――と、歩き出したまでは良かったんだけど・・・。




「・・・・・・またもや迷った。」



とりあえず、お祖父ちゃんのいた部屋の前までは戻れたんだ。


で、その後テキトーに左に曲がったり右に曲がったりしたら、迷った。




・・・・・・お祖父ちゃんに聞けばよかったんだね、私。


今更反省するも、時すでに遅し。


もはやお祖父ちゃんのいた部屋までさえも、戻れる自信がない。





周りは同じような襖やら障子やらばっかり。


日が当たらないところだからか、初夏の午前中だというのにも関わらず、少し暗い。



なんだか不安になってきた・・・。






人とはこれまで、一度もすれ違わなかった。


この通路にも、人っ子一人歩いていない。




かなり不安になってきた・・・。






解決策を、なんとか、おぼろげにだけど、見つけ出せたとはいえ。



ここで迷っていてはどうにもならない。






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