私は最強ビンボー女!
「人の思い込みって、かなり怖いもんだから。

人生相談で、顔を明るくさせた人を見ていながら、暗殺で、人の生自体を奪う。


救って、奪って。


正反対のことをやって、ネガティブ思考に入りやすくなってるし・・・

なかなか思い込みから抜け出せないんだな、これが。」



皮肉っぽい笑顔を消し、日岡さんはまたお茶を飲んだ。


私は、聞いちゃいけないことだろうけど、好奇心に負けて、口に出した。



「日岡さんも、そうだったんですか?」


今、淡々とクールに話す日岡さんも、そうだったのかと。


普通、知りたくなっちゃうよね?

・・・口に出す人は少ないだろうけど。



日岡さんは、意外にもサラリと答えてくれた。


「そうだったよ。俺も、抜け出せなかったなぁ・・・。」



懐かしそうに日岡さんは呟き、少し遠い目をした。



「でも、俺は、葉月のおかげで抜け出せたんだよなぁ・・・。」




・・・・・・・・・え・・・えぇ!?



「は、葉月!?」


思わず叫んだ私に、日岡さんは1つ頷いた。



「そ。俺が葉月に惚れるキッカケ。」


恥ずかしげもなく、日岡さんはサラッとそう言い、甘い笑顔を見せた。






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