私は最強ビンボー女!
「・・・・・・部下の人達は、逃げようとは思えなかった。」


確認するように呟いた。




そして、哀しくなった。



ここでも、だ。

ここでも。


皆して、すれ違ってる――。



本当は、部下の人達は、全員同じような事を思っていたらしいのに。


それなのに、必死すぎて、手と手を取り合うことができなかった。


お互いを、信じる事ができなかったのは。

生きることに、これでもかというほど、執着してたからだ。



それを、悪いとは言わない。

むしろ、普通あらば良いことなはずなのに。


ここでは、凶と出た。


生きたい、生きたい、生きたい。

死にたくなんて無い。


誰かを蹴落としてでも、生きたい――。




・・・・・・必死すぎたんだ・・・。



生きたいというのは、なんらかのエネルギーになるはずなのに。

そのエネルギーは、プラスではなく、マイナスの方に流れた。



だから。


抜け出すことができなかったんだ。




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