私は最強ビンボー女!
「じゃ、じゃが・・・やや、やは、り・・・」


視線を宙に彷徨わせたまま、お祖母ちゃんはしどろもどろに言う。



私はふきだしてしまった。


「ぷはっ!お祖母ちゃん、頑なすぎ!認めなよ~」



ケラケラ私が笑い出しても、お祖母ちゃんは怒らずに、おたおたするだけ。


「じゃ、じゃが本当に、あたしは・・・青菜に・・・・・・」


「だーかーらー!違うって!」



私が笑いながら言ったとき。


「・・・・・・ぷっ、あははははっ!」



笑い声があがった。




バッと笑い声の主・・・葉月を見た。


葉月は、軽やかな笑い声をあげていた。

明るくて、温かい、朗らかな笑顔。



私は、葉月が声を上げて笑うところを初めて見て、ほわんと心が温かくなるのを感じた。



素顔を、見せてくれてる。


そのことが、震えるほどに嬉しい。




葉月は、笑いが収まった頃、私とお祖母ちゃんを、微笑みながら見た。


お祖母ちゃんは、葉月がいきなり笑い出したから、驚いているみたい。

何度も瞬きを繰り返している。





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