私は最強ビンボー女!
しんっ

一瞬、水を打ったように、広間は静寂に包まれた。





けれど、次の瞬間、一斉にざわめき始める。


「どういうことだ!?」

「冗談だろう!?」

「嘘に決まってるわ!」

「なんでいきなりっ・・・」

「こんな嘘つくなんて、なんて奴だっ!!!」


疑問、困惑、否定、戸惑い、怒り――





肯定は0、か。

まっ、当然かな。


「冗談だと・・・嘘だと思う?」

マイク越しに伝える言葉。


また、沈黙がこの場を支配する。


「・・・・・・思う。」


呟いたのは、私の目の前にいる、1人のスーツ男。


「嘘だとしか、思えません。なぜいきなり、解散なんです?

なぜ、最近こちらに来たばかりの青菜様が言うんですか?」


じっとこちらを見つめる、数百人の男女。

信じられない、のかな・・・。



「嘘なんかじゃないよ。お祖母ちゃんも、承知してる。」


私の言葉に、全員、入り口付近に立っているお祖母ちゃんを見た。

お祖母ちゃんは、静かに1つ頷いた。





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