私は最強ビンボー女!
「青菜の言う通り。暗殺グループは、今日、解散する。」

しんとした広場に響く、マイク越しでない凛とした声。


そしてすぐに広間を占領したのは、ざわめき。



うろたえている。

全員。


お祖母ちゃんがこんな嘘も冗談も言う人なんかじゃないって、解っているはずだもんね。

うろたえて、当然。



お祖母ちゃんは、私に頷いた。


"頑張れ"

そんな声が聞こえてきたような気がして、胸がいっぱいになった。



――うん、頑張るよ。


これは、私の初めてのお祖母ちゃん孝行なんだから。






私は、マイクを持っている手を下ろした。


マイク越しに言うなんて、やっぱり駄目だ。

必死に声を張り上げて、全員に届くように言わなきゃ、伝わらない。


大事なことだもん。

マイク越しに、伝えていいものじゃないもん。


伝えたいのなら、解って欲しいのなら。

こっちが、ひたすら必死にならなきゃ、駄目でしょう?



すぅっと、息を吸う。

届きますように。伝わってくれますように。


ざわめいている周りの人々に向かって、私は声を張り上げる。





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