私は最強ビンボー女!
ニッと、必死に笑みを浮かべる。


足を掴まれたスーツ男が、驚いたように私を見下ろした。



「お前っ「あの、さぁっ!」


何か言いかけたスーツ男の声に、かすれたこえを被せた。




「私の話、聞いてっ・・・」


言った後、深呼吸をする。



や、やばいかも。

視界がかすむ。


かろうじて、ぼやけたスーツの黒さと、塊みたいに見える、立ち尽くした皆を確認した。



この状況に、皆、呆然としてるみたい。

でも、たぶん、直感で解ってるんじゃないかな。



今が、勝負どころで、私の邪魔をしちゃ駄目だって。

解ってるから、近づいてこないんだと思う。




腹部は、すでに麻痺していて、痛いのかどうかよく分からなくなってしまった。

視界はかすみまくるし、力は抜けていく。



それでも。


私は、声を発さなきゃ駄目なんだ。




この人達に、苦しみを与えたのは私と血が繋がっている人達。

これは、お祖母ちゃん孝行。


私が目指すのは解散。



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