私は最強ビンボー女!
「「青菜!喋るな!!!」」


陽と翼は本当に気が合うねぇ~。




私はそっと微笑んだ。

儚い儚い、静かな笑み。



「よう・・・つばさ・・・・・・ちょ、っとだけ、だから・・・。

・・・・・・・・・・・・スーツ、おとこ・・・。」




私は陽と翼をいさめ、スーツ男に話しかける。


スーツ男は、私が声を出してから、声を出していない。



話を、聞いてくれることなんだと思う。





目を見て話したいけど、もう、瞼を上げる気力がない。


一言言うだけで、精一杯。




「・・・・・・ごめん、ね・・・。

なに、も・・・し、らず、に・・・のうのうと・・・せーかつ、してきてっ・・・・・・。


ごめ、んね・・・・・・あなた、たち、にっ・・・・・・すべてをっ・・・せお、わせて、きてっ!!!」




そう。



私は、何も知らずに、生きてきた。


人を殺す事を知らずに、生きてきた。


朝霧家の直系なのに、何もせずに、生きてきた。




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