私は最強ビンボー女!
そう、思わずにいられないんだ。


おかしいけどね。










そんなことを思っているうちに、広間がしんと静まり返っていた。



なんでだろう・・・。

暗い瞼の裏を見ながら、私は耳を澄ます。




足元から、微かな声が聞こえた。



「俺たちだけじゃ、ない・・・?」

あの、スーツ男の声だ。



どうやら、私の言葉で、束の間全員考え始めたらしい。





そういえば、お祖母ちゃん、大丈夫かな・・・。


あの後、皆どうしたんだろう。

戦ってたの、かな?


自分のことだけで精一杯で、何も分からない。







「そうよっ!!!あんた達だけなんて、あるもんですかっ!!!」



奇妙な沈黙を破った声に、私は「え」と思った。


なんで――




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