私は最強ビンボー女!
なんで、お母さんの声がしたの?

幻聴かと思いきや、またもやお母さんの声がした。


「そりゃ、私は逃げたわよ!

間違ってるって思って、お母さんに言われたことに絶望して。


でも、苦しんだ!ずっとずっと、目に焼きついてる。

自分が殺した人の、蒼白な顔が!!!


誰だって、苦しんでた。

立場は違えど、全員が全員、殺したくなかったから!

人を殺すのは残酷な事だって、分かっていたから!


違う?

ねぇ、違うの?


人に殺せと命じる人も、命じられたままに人を殺す人も。

苦しいのは、一緒じゃないの?


どちからがより苦しいなんて、比べてなんになる?

なんにもならないでしょう!


殺したくないって言ってる人が・・・人を殺してどうするのよ!!!


殺したくないんなら、殺したくないって言って、殺さなきゃいいじゃない!!!」



必死な声。

真っ直ぐな言葉。



真っ直ぐすぎたお母さんの言葉は・・・ストレートに、私の心に入ってきた。




また、沈黙がこの場を支配する。



でも、感じる。


何かが、動き始めているのが。

変わり始めているのが。




< 580 / 836 >

この作品をシェア

pagetop