私は最強ビンボー女!
「この中で、誰が悪いのかと問われれば。

あたしが悪いのだと、答えるしかないじゃろう。」


静かな、しわがれた声が沈黙を破った。

お祖母ちゃんの声だ。



「そうじゃろう?

あたしが、全ての指揮を取った。

ならばほとんどの責任は、あたしにあると言えよう。


しかしな。

おぬしらに何も責任は無いなどとは、口が裂けても言えんのよ。


なぜか分かるかい?

いや、分かっておるだろうの。


おぬしらには、反乱を起こすことだってできたからじゃ。


違うなどとは、言わせぬぞ。

現に今、あたしらに反乱したのじゃから。


心を通わせあえたのなら、反乱だってできたのじゃ。

しかしおぬしらはしなかった。

心を通わせなかった。


そんなことができない環境にあったとはいえ。

絶対的にできないわけではあるまい。


じゃからの。

おぬしらも悪いと言えるのじゃよ。


あたしらだけ悪いと言い張るのは、お門違いじゃ。

殺すなど、愚の骨頂と言えるじゃろう。

おぬしらは、人を殺したくないのじゃろうからな。」



しわがれて、少しかすれている、老齢の声。


不器用なお祖母ちゃんの声は、じんわりと胸に沁みこんできた。




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