私は最強ビンボー女!
「何にも知らずに、一緒に遊んだ。

迷いなく、笑顔で。


・・・ずっと一緒にいるんだって、信じて疑わなかった。

それが、どんなに残酷なことであるかなんて、気付かずに。」


葉月は淡々と言う。

どうってことないっていうように。



「・・・残酷?」


胸がざわめき始めた私に、やっぱり顔を見せずに、淡々と葉月は答える。


「そう、残酷。

一緒にいるなんてこと、本当はありえなかったのよ。


私達は、仲良くするんじゃなくて、喧嘩し合ってたほうが、まだマシだったの。

"好き"ではなく"嫌い"の方が良かった。

できれば、恨めればベストだったんだろうけど。」


淡々と葉月は話す。

何の感情も読み取れない。


葉月、葉月・・・今、何を思ってるの?

何を、思い出してる?


無性に聞きたくなったそれらのことを、ぐっと喉の奥に押し込める。



「まぁ、現実はそんなに上手くいかないのよね。

悲しいことに、私も緋月のお互いのことが大好きだった。


勿論、喧嘩だってしたけれど、すぐに仲直りした。

私は緋月が大切だったし、たぶん緋月も私のことを大切だって思ってくれていたんだと思う。


でも。

そんな私達の思いとか気持ちとかは、何の力ももたない。

重荷となるだけ。」



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