私は最強ビンボー女!
「ただ、小野家は"脇役"だから・・・目立たないのよ。」


脇役?


「小野家は、影の支配者。

光を浴びる"藤原家"や"土井家"などと密接な関係を結んでいるの。


強固な関係の中で、支援したりされたりして、"小野家"は、大きな財閥となった。

小野家は、つまりいうと、他の大きな財閥を"支えて"いるということ。

後ろ暗い事も、ほとんどが小野家がやっている。


・・・・・・・・・・だから・・・

小野家は、後ろ暗いことをするのに、何の抵抗もない。」



ふつり。

言葉が、途切れた。


奇妙な沈黙。



ねぇ葉月。

今――どんな顔、してるの?




「・・・小野家は、いわば弱肉強食。

使えない輩(ヤカラ)はなんの躊躇いもなく、捨てる。

いるのは、有能な者のみ。
あとはいらない。


そんな家に、双子として生まれてしまったのが、私と緋月のそもそもの不運。


小野家の跡継ぎは1人で充分。2人はいらない。

おそらく、それが小野家当主―私達の父親の考えだったのでしょう。


だから。

私と緋月は、生まれたその瞬間から、どちらが跡継ぎになるかを試されていたの。


それなのに。

2人して相手のことが好きだったのよ?馬鹿みたいでしょ。」



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