私は最強ビンボー女!
「葵様は、綺麗な藍色の着物を着ていて、すごく綺麗だった。

コバルトブルーの瞳で、白髪だったから、一瞬外人かとも思ったんだけどね。


葵様は静かに言った。何も聞かずに。

『おいで。あたしのところに、おいで。』


真っ直ぐな瞳に見つめられた私は、まるで魔法にでもかかったかのように、自然と頷いていた。



そうして、葵様は、売春を仕事とする団体と話を付けてくれて・・・私は朝霧家の使用人となった。


で、今に至るってわけ。」



葉月は、最後の方はテキパキとした口調で言い、私の方を振り向いた。


瞳の翳りは、弱くなっていた。

強い光が、影を圧倒している。



葉月は、綺麗な微笑を見せた。


「青菜、これが私の過去。

でもね、緋月のことは本当に、もう、どうでもいいんだ。


過去だし、別に緋月が悪いわけじゃないし。

もしかしたら、小野家に束縛されてる緋月より、私の方が幸せかもしれないし。


だから緋月は、私に謝る必要なんて、これっぽっちもないんだよ。」



にこやかに、キッパリと言う葉月を見て、私はうん、と、頷いた。


「うん。謝る必要は、ないかもしれない。

葉月は、もう、大丈夫そうだもんね。


でも、葉月。

緋月ちゃんは、納得しないかもよ?」


「どういうこと?」

葉月が、眉をひそめた。



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