私は最強ビンボー女!
「だってさ、緋月ちゃんは葉月が大丈夫とか分からないわけだし。

それに、緋月ちゃんの罪悪感って、そう簡単に消えるものじゃないんじゃないの?


緋月ちゃんのためにも、会った方がいいと思う。」



私の言葉に、葉月はうーんと唸った。


「確かに・・・そう、かもしれないわね・・・・・・あんまり気は進まないけど、会おう、かなぁ・・・。」


葉月はそこまで呟いて、苦笑いを零した。


「会いたくないって時点で、私もまだ完全に乗り越えてないのかもね。

いいわ、会ってやる。」



凛とした声で言った葉月は、なんだかすごく、綺麗に見えた。


日岡さんが今の葉月見たら、どんな反応するんだろう・・・と、考えたところで、そういえば、と思い出した。



「そういえば、葉月はどうして日岡さんの告白を完全無視するの?」


そう言った途端、葉月の表情がピタリと固まった。




・・・・・・・・?


どうしたんだろう、と思っていると。

みるみるうちに、葉月の顔が、泣き出しそうになった。




・・・・・・・・・え・・・・・・


思わず目を見開いた私に向かって、葉月は震える声で言った。



「青菜・・・・・・これ、誰にも言わないって、約束してくれる?」


あまりに必死な声に、私は反射的に頷いた。

こう言われて、頷かないなんて、友達なんかじゃない。




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