私は最強ビンボー女!
あたしも静かに腰を折る。


これは、けじめだ。




葉月のけじめ。




「夏実ちゃんが暗殺されそうになっていたこと、ご存知でしたか?


私は、夏実ちゃんを殺そうとしていたところの、部下でした。


私は、夏実ちゃんの情報を得るために、ここに来たのです。」



葉月はそこまで言って、そっと言葉を切った。


啓先輩が唖然とした顔で、葉月とナァちゃんを交互に見た。




「それは・・・・・・冗談?」


「違います。」



淡々とした葉月の声。


啓先輩は、目を瞬いている。


信じられない。

そう、言っているみたいだ。




「・・・・・・・・・・・・お兄ちゃん。」


不意に、ナァちゃんが言葉を発した。




「信じてあげて。

まずは、信じて、話を聞いてあげよ?」


優しい、声だった。




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