私は最強ビンボー女!
そんな啓先輩を、ナァちゃんは真っ直ぐに見つめた。



「どんな理屈でも、あたしが良しとするなら、いいんだよ。

ちょっとでも、心の整理ができるのなら、いいんだよ。


ねぇ、お兄ちゃん。聞こうよ。聞いてあげようよ。

あたし達は、聞く義務があるはずだよ。


おそらく・・・・・・岸田家に関することだと思う、から。」





ナァちゃんの翳りを帯びた声に、啓先輩がハッと目を見開く。




「あぁ、そうか・・・。

確かにそのことが関係してる線が濃いよな・・・。」


「でしょ?なら、あたし達は聞かなきゃいけないんじゃない?」


「・・・・・・・・・・・・そう、だな・・・。」





啓先輩が頷き、葉月に鋭い視線を向ける。


ビックリするぐらい、冷たくて尖った視線だった。




「聞かせて。」


「はい。聞いてください。」



静かに、淡々と・・・けれどすごく真剣な瞳を合わせ、葉月と啓先輩は頷き合った。






そして、ふっと口をつぐんだ後、葉月が話し始めた――。






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