私は最強ビンボー女!
「だって・・・ナァちゃん、陽と普通に話してたじゃんか・・・・・・。」


ぼやくように呟けば、ナァちゃんが「なーんだ」と笑った。




「そんなことですか。でも、青菜様らしくないですね。

分からないなんて。」


「え?なんで・・・・・・」


「白狼総長と藤原家当主は別の人間だからですよ。

簡単じゃないですか。」



その言葉に、あ、そっかと納得した。


確かに、陽のお父さんは陽は別の人間だ。


でも――



「親子なんだよ?もしかしたら、陽はナァちゃんの暗殺のこと知ってたかも・・・」


「・・・・・・それはありえないね。」


呟くように言ったのは、啓先輩。

首を傾げるあたしに向かって、にっこりと爽やかな笑顔を浮かべて言った。



「青菜ちゃんは知らないだろうけど、こっちの世界じゃ有名だよ。

藤原家当主と次期当主は、この上なく仲が悪いってね。」


「え・・・・・・えぇ!?」



仲悪いの!?

あ、で、でも、そういえば。



5年前、陽と初めて会った時、確かに陽は哀しそうだった。


陽自身を必要とされないと、言っていた・・・・・・。





< 659 / 836 >

この作品をシェア

pagetop