私は最強ビンボー女!
葉月が、目を見開く。

ふるふると、唇が震えている。



「そ・・・そんな・・・・・・いいん、ですか・・・?」


「んーまぁ、葉月ちゃん美人だしねー。

お兄ちゃんはどうかわかんないけど・・・あたしはいいよ、それで。」




にっこりと、何のためらいもなく、ナァちゃんは笑った。


啓先輩はというと、そんなナァちゃんを見て、髪の毛をぐしゃぐしゃにしていた。




「あーもう!!!なんでお前はそう、色々テキトーなんだよ!

なんだよ『美人だし』って!結局それなのかよ!」


「お兄ちゃん、しょうがないじゃん。あたしの基準は基本それなんだから。」



啓先輩の叫びに、ナァちゃんはあっさりドヤ顔で親指を立てた。


・・・・・・あれ、ここ、ドヤ顔して親指立てる場面?





「・・・ったく。

当の本人のお前がそう言うんじゃあ、俺、キツイこと言えないじゃん。」


ため息交じりに啓先輩は、葉月を見た。




「・・・・・・許せないよ。許せない。

俺は絶対、君を許せないと思う。


でも・・・まぁ、夏実もこう言ってることだし。

本気で夏実の心配もしてくれたことだし。


恨むことは、しないでおく。」





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