私は最強ビンボー女!
啓先輩は、そこまで言って、ふっと口をつぐんだ。

それから、悪戯っ子のような笑顔を浮かべる。



「けど、代わりに、守るの手伝って。」


「・・・・・・へ?」



パチクリと目を瞬いた葉月に、啓先輩はにんまり笑いかける。




「夏実のこと、守るの手伝ってよ。

藤原家が次何しかけてくるか、わかんないし。

葉月、けっこう強いだろ?


だから、守って。

せめて、守ってほしいんだ。」




葉月は、一瞬意味を図りかねたように、瞳を揺らした後。



真っ直ぐに啓先輩を見つめた。

そして、力強く頷く。





「分かりました。

岸本夏実さんを守る、お手伝いをさせていただきます。」




葉月は、そしてまた、深々と頭を下げた。



「よろしくお願いいたします!

それと・・・・・・ありがとうございますっ・・・」




葉月の声が、凜と響いた。

何かが、また、始まる予感がする。




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