私は最強ビンボー女!
気付かれないように、必死に笑顔を浮かべて。

握り締めたくなる手を、必死にぶらぶらさせて。



『ありがとうとか照れるってー!』


えへへと、必死に明るい声で言った。




それでも。

さすがというかなんというか、お母さんは気付いたんだと思う。


私が、決して照れてもないし嬉しくもないんだって。




コバルトブルーの瞳が、真っ直ぐに私に向けられた。


でも・・・




『ふふ。確かにちょっと照れるね!』




何も指摘せずに、お母さんは自然に返した。



その優しさに、心の中で何かが溢れそうになった。




お母さんは、きっと気付いた。

私の思いとか醜さに。



それでもなんでもないようにふるまうのは、お母さんの優しさ。


指摘せずに受け入れてくれてるんだって、分かった。




それが、無性に嬉しくて、無性に苛立たしくて。


どうしようもなく罪悪感がわくのを、止めることなんてできなかった。






< 693 / 836 >

この作品をシェア

pagetop