私は最強ビンボー女!
「うん。ほら、顔そっくりでしょ?」


私の言葉に、うんうんと頷く2人。





「けど、じゃあなんで俺らが知らなかったんだ?」


「陽、そんなの愚問。小野家が存在を消したからに決まってるじゃん。」


「なぜ?」


「いらないから。」


「「は?」」



陽と翼の声が重なる。

私が口を開く前に、葉月が口を開いた。




「小野家の跡取りは1人で充分。他はいらない。

そして私は跡取りの試験みたいなので落とされたのよ。

だから、小野家の人間じゃないってことになってる。

だから、存在自体を消した。もう小野家の人間ではないと判断して。

ただ、それだけのことよ。」



葉月は淡々と説明しつつ、緋月ちゃんの頭を優しく撫でる。



陽と翼は納得したように、頷いた。



「なるほどな。小野家のやりそうなことだ。」


「まー小野家はちょっとどころじゃなく黒いからなぁ~」


「黒いのは、おたくらもでしょ。」


「ああ。」


「まーな!」




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