私は最強ビンボー女!
否定しないのが、こいつららしい。


全員が全員、今の体制の下で虐げられ、足掻いて、前を向こうとしてる。





―――あぁ、なんか、いいな。


やられてそのまま泣き寝入り、じゃない。

自分の意思で、未来を決めようとしてる・・・。




黒いところは黒いって認めて。

その上でさらりとかわして、笑って。



強い、なぁ。


羨ましいほど、強い。







「葉月のことは分かったが、小野家の娘はなぜここに?」



陽の言葉に、ハッとした。


そうだ緋月ちゃんだ!羨んでる場合じゃない!



こんなに取り乱してるなんて・・・きっと一大事だ。




「緋月、落ち着いた?」


葉月が、緋月ちゃんの顔を優しく覗きこむ。



緋月ちゃんは、さっきの私達の会話の間に落ち着いたらしく、もう涙はなかった。


コクリと一つ頷き、緋月ちゃんは口を開く。





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