私は最強ビンボー女!
ニッと翼が笑う

私は、頷いた。


「うん、できない。というか私、黒狼のみんなにお礼してなかったね・・・。」



俯く。

たとえ糞親父がお願いしたからだとしても・・・助けられたことは事実。


だいたい、黒狼の奴らは糞親父のお願いなんて無視したってよかったんだ。



それなのに、願いを受けてくれた。

私を助けてくれた。


なのに充分なお礼もできてない。




パッと顔を上げた。


「陽、翼。黒狼の奴らにお礼をしたい。

いつでもいい。都合がつくとき、全員集合させてもらえたりできないかな?」



陽が柔らかく微笑む。

翼が嬉しそうに笑う。





・・・・・・っ・・・なんで・・・・・。


なんでそんなに、温かい?




一瞬泣きそうになった。

私に向けられた優しい感情に。



勘違いしそうになる。

この2人にとって私が大切な存在なんじゃないかって・・・。




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