私は最強ビンボー女!
・・・見回り?


「何ソレ?」


「あぁ、なんか最近紅狼の幹部に大勢でちょっかいだすアホな奴らがいるとかで、な。」


「3日交替で、2人組みになって高校付近歩くんだー。

今日3日目だけど・・・哉、全部全部どっか消えた。」


「だってしょーがねぇじゃん?可愛い女の子が俺を呼んでるんだからさ♪」


「ヒドイよねぇ、コレ。僕眠いのにー・・・。」



・・・・・・うん。楓、あんたが眠いのはよく分かるよ。

目ぇ半分しか開いてないし、口調がぼやぼやだからね。

あと、体揺れてる。ゆらゆら揺れてる。


お願いだから今ここでは寝ないでね・・・!!!



心の中で祈っていると、パトカーの光が、遠くから見えた。


おぉ、健一さんのご到着かな?




「うわっ、パトカー?!やっべ、逃げるぞ楓!」


「・・・・・・ここで寝てい?」


「ダメだっつーの!人の話を聞け!逃げっぞ!

じゃーな青菜。」



ぐいっと楓の腕を引っ張り、哉が私に笑いかけてから・・・2人は風のように去っていった。




「速・・・。」


私の呟きに同意するように、寂れた街灯がチカッと弱弱しく光った。






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