私は最強ビンボー女!
もう一度繰り返すも、健一さんは微妙な顔。



「むーだーだー!」


「むーだーじゃーなーいー!」


「あーおーなーちゃーんーやーるー!」



健一さん、私、りか先生の順に、自分の意見を主張。


・・・1人だけズレてる気がするけど、スルーの方向で。




「あのね健一さん。恋愛という経験は人を変える素晴らしいものらしいんだよ。

それを体験するのは、無駄じゃないでしょ?」


私がとつとつと諭すように言葉を紡ぐも、健一さんの眉間のしわは消えない。




「そんなまがいモンで、変わるわけねーよ。

無駄だ。」


「それでも経験するのとしないのじゃ、違うでしょ?」


「―――青菜。」



言い募る私に、健一さんは酔っ払いとは思えないほど低い静かな声を出す。


思わず、口をつぐんだ。





「そんなん言うなら、ホンモノの彼氏つくれ。

本当に恋愛しろよ。」



・・・・・・・・・・・・うん。


「正論、だねぇ。」




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