私は最強ビンボー女!
「それはお互い様だろ?」


「まーね。」


クスリと青菜も笑うが・・・その目は笑ってなんかいなかった。

じっと哉を見つめてる。


そして視線を哉に向けたまま、翼へ言葉を放った。



「翼、意図があるとしたら、それは私の方だと思って。

言いだしっぺは私だから。」


「へぇ?」



土井が目を細める。


「青菜、意図、あるんだ?」


「――――さぁ?」




青菜は口元に微笑を浮かべたままはぐらかし、その後・・・俺を見た。

何か言うように口を開いたけれど、すぐにまた口を閉ざした。


青菜は結局そのまま、哉の手首をむんずと掴んで屋上から去って行った。






「・・・・・・あーあ。」


ぽつんとため息のような声を漏らしたのは、土井。


俺を見て、不服そうに唇を尖らせた。


「観察してるうちに先、越された。」


「知るか。」


俺は、吐き捨てた。





―陽side end―
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