私は最強ビンボー女!
昨夜から姿を見た人がいない・・・?


それって―――




「ちなみに。小野家の奴らが緋月の姿が見えないことに気付いたのが、今朝6時。

そしてそのことをナァが知ったのはついさっき。

ナァの情報網をもってしても知れたのがこの時間だということは・・・かなり厳重に隠されてるってこと。」



佐奈は静かに話し、唇を歪めた。





「・・・で、ナァによると、おそらく誘拐されたんだろうと推測されてるようよ。」


「ゆ、誘拐?!」


「うるさい!」



思わず大きな声が出た私に、佐奈がガツン!と怒鳴る。


慌てて口を押さえれば、佐奈が声を潜めて言う。





「・・・葉月にはもう伝えてある。」


「あ、あぁ、だからか。葉月の姿が見えないの・・・。」


「そう。

それでね青菜。ここからが重要なところなんだけど。」


「うん?」



佐奈がピタッと足を止めて言った。


私と佐奈の目の前には、黒塗りの高級車。

これは確か、日岡さんの車だ。




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