私は最強ビンボー女!
「・・・・・・佐奈。」


「説明ね。するわよ、今から。」



佐奈は至って冷静に言葉を紡ぎ、視線は真っ直ぐ前を見据えていた。






「小野緋月が誘拐された。そして小野家はそれを隠している。

・・・ってとこまでは話たわよね。

で、ここからが重要なんだけど。

私達は小野緋月の居場所を知っているの。」


「えぇっ!?」



居場所を知ってるって・・・なんで?!



私の疑問を読んだかのように、佐奈がフンと鼻で笑った。


「ナァの執念、ナメんじゃないわよ。

こんな時間になるまで分かんなかったっつって、挽回するべく奔走したのよ。」


「ナァちゃん・・・さすが。

男前すぎる!!!」



私がうるっと涙ぐむも、ナァちゃんは大きく首を振る。



「いえ。こんなの当然です。

もっと早く分かってお伝えできていれば・・・!!!」


悔しそうに眉をひそめるナァちゃん。




そんなこと「充分、充分です。」


私が口を開くより先に、葉月がキッパリと言葉を放った。





< 771 / 836 >

この作品をシェア

pagetop