私は最強ビンボー女！

ここに、緋月ちゃんがいるの・・・？



「あれ、でも、そういえばここに来てどうするの？」


ハタと何をしようとしているか知らされていないことに私は気付く。


うわ、遅い・・・!!!





「緋月を奪還する。」


私の問いに、当然だというように葉月がキッパリと答える。




「え・・・でも、そんな簡単にできる？

ていうか、しちゃっていいの？

なんか、大金とか陰謀とか絡んでそうなんだけど・・・」


「大丈夫。」



あっさりと答えたのは佐奈。

その声は冷たかった。私が、驚くほどに。





「そういう大層な奴らじゃない。

小野緋月を誘拐したのは――『紅狼』『白狼』の一つ下の暴走族。

『雷虎(ﾗｲｺ)』。」


「え・・・・・・？」



暴走族？


「小野家絡みの誘拐じゃなかったの？」


「それが違うんですよー」


ナァちゃんがあっけらかんと答える。