私は最強ビンボー女!
キスなんてどうでもいい。

ただ唇と唇を合わせるだけでしょ?


気にしない。





・・・そう、思い込んでやるさ。



胸の奥にかすかに淀んだ黒いモノ。

そんなの無視してやる。


乙女心なんて捨ててやる。




だってそれで、助けられるかもしれない人がいるんだよ?


消せるかもしれない、瞳の翳りがあるんだよ?




なら、いくらだって自分を欺いてやる!







「緋月ちゃんはどこにいる?

キスしたんだ。教えて、助けてよ。」


「な・・・」


「私の、ファーストキスは高いんだからね。」




ファーストキスの言葉に、哉が目を見開く。


「すんげー馬鹿。」


「知ってる。テストの点数は激ヤバだよ。

けど、別にいい。

早く教えて。・・・教えなさいよ!」




< 801 / 836 >

この作品をシェア

pagetop