私は最強ビンボー女!
「あぁ。どうやら私は普通じゃないらしいからね。」


「・・・ファーストキスあっさり引き渡す女だもんな。」


「まーね。」




くいっと口角を上げてみせる。


なんにも気にしていないフリ。



大丈夫。

思い込みって、けっこう頑丈なガードになるから。





「で?小野家が関わってるのに、緋月ちゃんは巻き込まれたってことになるのはなんで?」


「小野緋月は小野家において異分子だからだ。」



彼方はじっと私を見つめた後、あっさりと言った。





「小野家の跡取りでありながら、あまりに小野家らしくない女。

考え方も小野家とは全然違う。」


「・・・よく知ってるね?」


「調べた。」



そうっすか。

まぁ、確かに自分の見合い相手だもんなぁ。


知りたいと思うのが普通か。




「だから小野家の現当主のやることと小野緋月は関係ない。

俺はそう結論づけた。」




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