私は最強ビンボー女!
唐突に聞こえた呻き声に、皆ハッとした。

慌てて緋月ちゃんの方を見れば。



「緋月っ!!!」


「・・・う、ん・・・・・・は、づき・・・?」


緋月ちゃんが、呻きながら薄く目を開いていた。


そして状況を確認すると、カッと目を見開き、起き上がろうとして――ふらっとよろけた。



「うわわ!緋月様駄目です!今は横になってなきゃ!」


「で、も・・・私、話さないと・・・・・・。

あの人、に・・・かな、さんに・・・話さないと・・・・・・謝らないと。」





―――――え?



話す?謝る?


それは・・・哉の方じゃないの?




「なんでここで横江哉の話になるわけ?」


何も知らないらしい葉月が眉をひそめる。



はぁっ・・・・・と、ため息をついたのは、彼方だった。


額に手を沿え、ぎゅっと唇を噛み締めた後、真っ直ぐ緋月ちゃんを見た。





「小野緋月。お前には関係ない。罪悪感を感じることは、ない。」


断定的な、声だった。





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