私は最強ビンボー女!
「・・・杞憂さん、ありがと。返す。」

私はそっと杞憂さんに携帯を渡す。


「・・・敦、何か変な事でも言った?」


「・・・・・・え?」


「いや、様子がいつもと違うから・・・」


心配そうに、杞憂さんが私の顔を覗きこむ。


私は慌てて笑顔を作る。


「なんでもないですよ!糞親父が変なのはいつものことですし・・・
いつも通りの不可解さに、呆れちゃっただけです。」


これは、嘘じゃない。

糞親父はいつも変だし。

最後に不可解な言葉残して、切るし。



・・・でも、真実でもないかな。


呆れはしたけど、それよりも・・・

戸惑いの方が、大きい。



・・・だけど・・・


うだうだ考えたって、しょうがない!!



私はぶんぶん頭を振った。

そして、パチン!と両頬を叩く。




糞親父がここにいない今、糞親父の言葉の意味を追求するのは不可能だ。


だいたい、私はこれからのことを考えなくちゃいけない。



だから・・・


この疑問と戸惑いは、ひとまず心の隅っこに追いやった。



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