私だけ好きだと思ってた。
「あんた何の用?」
でも答えたのは藤谷くんではなく、いつも近くにいる中曽根さんだった。
「あ、あの…藤谷くんに用が…」
なんとか声を振り絞って言ったけど、中曽根さんは、はぁ?とでもいうような顔をした。
「なにいってんの?あんたみたいなかわいくもない凡人が仁なんかと喋ったら仁が汚れるわ。」
中曽根さんはそういうと私の肩を強く押した。
「さっさとどっか行ってくれない?目障りだから。」
ここまで言われるとさすがの私も泣きそうになる。