＊正しい姉弟の切愛事情＊

いつからだろう。


もしかすると最初から――？


そんなことを考えていると、下から伸びてきた手に耳を触られた。

くすぐったくて体を震わせた瞬間、石川君の左手が私の後頭部を押さえて、静かに自分の方へと引き寄せる。

一瞬ためらったけれど、私は大人しく身を屈めて膝上の顔に唇を落とした。


重なり合った石川君のそれは、やっぱり弾力があって、小さなクッションみたいで、

そして私に小さな嫌悪感を抱かせた。



早く、終わって――


無意識にそう願ってしまうくらい、石川君とのキスを苦痛に感じてる。


やっぱりあたしは毒に冒されているのかもしれない。


だって絶対に変だ。


彼氏のキスが気持ち悪くて、

瑞貴とのキスが心地いいなんて。


普通、逆じゃないの？


こんなの、絶対におかしい―――