*正しい姉弟の切愛事情*
それはまるで、
私の心の中を窺うような、確かめるような、
下手に出ているようで、どことなく強引さが残る目つき――
いつものように何も言えないでいると、整った顔がゆっくりと近づいてきた。
上唇をぺろっと舐められる。
くすぐったさが身体を走り抜けて、私は舐められた部分を手で覆った。
「な……」
瑞貴の潤んだ目。
泣きそうで、苦しげなのに、強い光が宿っている。
なんてアンバランスなんだろう。
なんだか、とても……危なっかしい……、
そう思ったとき、右手を強くつかまれた。