*正しい姉弟の切愛事情*
「……何?」
勉強をしていたらしい瑞貴のぶっきらぼうな物言いに、あたふたしながら答える。
「ご、ご飯できたよ。今日お父さん遅いから2人で先に食べてって……」
「……わかった。すぐ行く」
その声を聞いて、私は瑞貴の部屋を後にした。
胸を押さえる。
心臓は壊れそうなくらい跳ねている。
びっくり……した。
今まで部屋に入って、あんな風に怒鳴られたことなんてなかったのに。
思春期だから?
日々成長していく弟に、戸惑っている自分がいる。