*正しい姉弟の切愛事情*
リモコンでテレビをつける横顔を、ちらりと盗み見る。
数日前に石川君とのキスシーンを目撃されて、気まずくなるかと思っていたけれど、瑞貴自身があの場面を忘れてしまったように、翌日から平気な顔で接してくる。
もう、気にしてないのかな……?
……それはそれで、なんだか……。
ちりっと焦げつくような胸の痛みに戸惑った。
……何を考えてるんだろう、あたしは。
無意識に覚えた感情に心がざわつく。
瑞貴の普通の態度に釈然としない、なんて、これじゃまるで、もっと妬いてほしいと思ってるみたい。
それに――