*正しい姉弟の切愛事情*
夕飯の片づけを終えてリビングで洗濯物を畳んでいると、お風呂から上がった瑞貴がスウェット姿で現れた。
肩にバスタオルをかけたまま、冷蔵庫を開けて牛乳を取り出している。
正面のテレビをつけたまま、私はソファと足の低いテーブルの間に挟まるように座り、タオルや靴下やTシャツをたたんでいった。
次の瞬間、傍らに気配を感じたと思ったら、瑞貴が勢いよくソファに沈み込んだ。
一瞬、驚いて体がこわばる。
そんな姉に構うことなく、テーブルのリモコンを取って画面に向ける。
「変えていい?」
ふわりと石鹸のにおいが漂ってきて、なぜか心臓が波打った。
「ど、どうぞ」
他人行儀になってしまうほど、胸が響いてる。