*正しい姉弟の切愛事情*
画面を見据えたまま、瑞貴は次々にチャンネルを変えていく。
ソファに座ったその足が微妙に私の腰に当たっていて、意識がそっちに向かってしまう。
な……なにこの状態!?
というか、なぜあたしの心臓はバクバク鳴ってるの!?
気づけば、違う柄の靴下を一緒にしてたたんでいる始末だった。
せ……洗濯物に集中!
と、思いながらさりげなく横目で見てしまった弟の顔は、まっすぐ前を向いていて、濡れて頬にかかっている黒髪がやけに色っぽい。
――って、思春期の男子ですかあたしは!
散々自分につっこみを入れて、思わずため息を落とした。
おかしいな、あたし。
タオルの端をきちんと合わせて折りたたみ、テーブルの上に重ねていく。
……前は瑞貴の傍にいても、こんな気持ちにならなかったのに。