*正しい姉弟の切愛事情*
リビングに響くバラエティ番組の音。
それを見て笑うでもなく、ただ静かに私の傍らに座っている弟。
少しだけ触れ合ったお互いの身体の一部は、一ミリも動くことなく、心臓の鼓動だけが早まっていく。
テレビの裏側にはふすまがあって、その奥にお父さんの寝室があった。
いつもだったら電気がついていて、隙間から光が漏れている時間だけれど、今日は真っ暗なままだ。
それが、家の中に2人きりという事実を私に突きつけているようで、
だからって何かあるわけでもないのに、心臓は落ち着かない。
ただ、もっと触れたいと思ってしまう。
前みたいに……