*正しい姉弟の切愛事情*


瑞貴の手に、


薄い胸に、


長い腕に、


柔らかな唇に――



「……」 


洗濯物の山に伸ばした手が、ぴたりと止まる。

自分の思考に、愕然とする。



まるで間欠泉から蒸気が噴き出すみたいに、

気持ちが溢れ出して止まらない。




瑞貴に触れて欲しい。


抱きしめて欲しい。



ねぇ、もう一度私を見て?


好きだと言って?



その指先で髪を撫でて、


もう一度、キス……して――





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