*正しい姉弟の切愛事情*
たぶん、江崎さんは写真係か何かで、
みんなに写真を配ったはいいけれど、瑞貴と孝太くんのものを取り違えてしまったんだ。
そう考えると封筒に書かれた「こっちが沢井でした」という言葉にも納得がいく。
もしかすると、このあいだかかってきた電話もこのことだったのかもしれない。
「なんだ……」
つい声が漏れてしまうほど、自分がほっとしていることに気付く。
瑞貴の周りにいる女の子の存在。
気にしないようにしてたのに、胸のどこかでずっと引っかかっていたらしい。
こんなの、確実に姉が心配すべき事柄じゃないのに。
本当に、もう、
何をやってるんだろう、あたしは。
弟に落ちていることを改めて自覚して、ため息がこぼれる。
ベッドサイドに膝をつき、寝ている瑞貴の顔を窺った。