*正しい姉弟の切愛事情*
食べ終わったお弁当を片付けていると、不意に暖かな陽射しが遮られた。
急に暗くなった視界に目を上げた瞬間、間近にあった石川君と視線が絡まる。
ごはんの直後はちょっとイヤかも……。
そんな思いを口にできるはずもなく、おりてきた石川君の唇を受け止めた。
柔らかくて、温かな感触だった。
それはやっぱり長く合わさったままで、息が続かなくなってくる。
苦しいなと思い始めたとき、合わせたままの唇に生温かい何かが触れた。
それは多分、石川君の、濡れた舌先――
唇を這う、これまでに感じたことのないぬめっとした感触に、背中を何かが駆け上がる。
「ん――」
私は思わず顔を逸らしてしまった。