*正しい姉弟の切愛事情*
どこで間違えたのだろう。
何がいけなかったの?
罪のない石川君をこんなに傷つけることになるなんて、思ってなかった。
――それでも、私が想いを馳せる相手は瑞貴だ。
あの幸福感は、石川君の腕の中では得られない。
……きっと、最初から間違ってたんだ。
ちゃんと気持ちが固まってないのに、告白されたからって簡単に付き合うべきじゃなかった。
何を思ってももう遅い。
結果的に、私は人を傷つけて、自分の幸せを優先しようとしてる。
自分の心の中が真っ黒に煤けているように思えた。
ひどく利己的で、打算に満ちていて、嫌になる。
醜悪だ。
自分勝手でワガママな私。
それでも、
誰かを傷つけても、
たとえそれが誤った選択だったとしても、
私は自分で選んだこの道を、進みたい――