*正しい姉弟の切愛事情*


エリカちゃんが静かに妹を見た。


「ユリ、あんたはね」


それはひどく冷淡な声で。


「人身御供にされてんのよ」


ひとみごくうって――
 
生け贄とか、犠牲とか……


「エリカちゃん、そんな言い方――」

「問題は――」
 

私の声を遮りエリカちゃんは言った。


「ユリ自身が、すべてを分かってるってこと」


え――?
 

急に空気が凍りついたみたいに、背筋が寒くなった。



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