*正しい姉弟の切愛事情*



学校の裏門で話した後、石川君はずっと私のあとを追いかけてきてたんだ。


「つか……なに、してんだ?」


厚めの唇から、ぽつりと、かすれた声が落ちる。


「――……」

「なに……してんだよお前ら」
 


低い声が震えて、

放心していた石川君の目が徐々に光を取り戻し、



歪んでいった。





「お前ら、姉弟じゃねーのかよっ!」 
 





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