*正しい姉弟の切愛事情*




改めて思う。


私は打算的で、ずるい女だ。
 





昼間はまだ蒸し暑いけれど、日が落ちるのは格段に早くなった。
 
夕暮れが窓から染み込んできそうなリビングに、人影が3つ。
 

テレビの前に胡坐をかいた瑞貴と、対峙するようにソファに座るエリカちゃん。

そして彼女の傍らに、正座している私。


「なんの用だよ」
 

居心地悪そうに首をすくめている弟に、


「余計なお世話を焼きにきたのよ」
 

エリカちゃんは余裕の笑みを見せる。



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