*正しい姉弟の切愛事情*
「はっ…」
額に汗を滲ませながら、瑞貴が少しずつ身体を押し進める。
この痛みも。
はじめて内側で感じる温度も。
「み、ずき……」
全部が愛しいよ。
熱い吐息がまじわる。
瑞貴の部屋で、瑞貴のベッドで、瑞貴の全部に包まれる。
まるで海の中にいるみたい。
このまま溺れてもいい。
だから深く、
もっと深くまで。
この身体に、強く刻みつけて。
離れた後も忘れないように。
1人でちゃんと歩いていけるように――